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模擬患者(SP)参加型教育


 

1.模擬患者(SP)とは

2.SPの分類と違い

3.SPはどのような人がなるのか?

4.なぜ模擬患者(SP)参加型教育なのか?

5.SP参加によるメリット

6.看護教育におけるSP参加型教育のタイプ

7.本学におけるSP参加型教育

 

1.模擬患者(SP)とは

 患者本位の医療を実現していくために,教育のなかで,事前に作成されたシナリオに沿って実際の患者さんと同じような症状や訴えを「演じる」患者役のことです。「患者」を役割演技する教育協力者です。本物の患者さんと比べて大きく異なる点は,模擬患者(SP)は,「演じて感じたことをフィードバックする」という役割を担っていることです。学生や医療者とのやりとりで感じたことや心情の変化などについて,やりとり終了後に伝えることが必要です。

 

2.SPの分類と違い

 SPには,Simulated Patient(模擬患者) とStandardized Patient(標準模擬患者)の2通りの意味があります。それは,学習者の教育目的によって区別されています。模擬患者 SP:Simulated Patient は,状況や学生に応じて適宜変化を持たせて演じることができます。シナリオにそって役作りを行い,自分の気持ちの動きに素直に演じることができます。標準模擬患者 SP:Standardized Patient は,どの学生にも「同じ患者」を演じることが求められます。誰がやっても同じような演技ができるようにシナリオどおりに正確に演じることが必要で,医学や薬学等において行われている臨床判断能力試験などに用いられます。

表1 模擬患者と標準模擬患者のちがい
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3.SPはどのような人がなるのか?

 SPには,基本的には誰でもなることができます。しかし,学生の教育に協力する人であることから,患者の役作りをする想像力,演じる演技力,学習者にフィードバックするための記憶力と表現力が求められます。

 

4.なぜ模擬患者(SP)参加型教育なのか?

1)看護教育におけるSP参加型教育の意義

 医療の高度化,患者さんの人権の尊重,医療安全に対する期待など,医療を取り巻く環境は医療に携わる者達に,今まで以上にコミュニケーション能力や臨床判断能力,安全な技術の提供を求めています。
一方で,学生の状況は生活環境の変化や人間関係の希薄さから,複雑な医療の現場に適応していくのに時間がかかり,また困難さを感じています。医療安全や倫理的な側面から,学生が実際の患者さんを受け持ってできる技術が少なくなってきているという現状もあります。従来の教育では,基本を学内で,応用を実習でと行ってきましたが,学習者の状況に合わせ,また,臨床の患者さん達にできるだけ負担をかけないためにも,安全でしかも失敗が許される場で,失敗を教材として,学習をすることは効果があると言えます。
SPは,医療現場で必要とされる知識・技能・態度をできるだけ現実に近い状況の中で訓練するための「生きた学習教材」です。学生は想像ではなくSPの言葉から,自分の話した言葉やしぐさなどが相手に与えた印象を知ることができるため,自己について気づかされることが多くあり,医療者としての態度教育としても効果があります。

 
2)体験型学習の意義

 講義を代表とする知識伝達型の学習は,必要な知識の伝達がしやすい反面,学習者の創造力,問題解決力,社会性などについては効果的ではありません。
一方,事例に基づいて対応を考え,実際に行ってふりかえりを行う学習は,多様なことがらへの対応を考え,経験したことの意味を理解し,学習者の創造力,問題解決力,社会性などを育てることができます。

 

5.SP参加によるメリット

 SP参加を最初に行ったのは,1960 年代初めに南カリフォルニア大学の神経科医のバロウズ(Howard S. Barrows)が医学生に行った授業であったとされています。表2はバロウズによるSP 参加の利点です。また,学生同士で行うロールプレイと比較して,SP 参加の利点と欠点を表3に示しました。

表2 SP参加の利点
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表3 学生同士のロールプレイとSPとのロールプレイの利点と欠点
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6.看護教育におけるSP参加型教育のタイプ

1)コミュニケーション教育(看護面接)

 「情報収集をする」や患者さんに「説明をする」,「心理社会的な問題に対応する」などコミュニケーション能力が要求される場面を想定して行います。

 
2)フィジカルアセスメント

 血圧測定,体温,脈拍の測定,胸部の聴診,腹部の聴診や触診など,フィジカルアセスメントの技術や判断が要求される場面を想定して行います。この場合,シミュレーター(人形など)を組み合わせて行うこともあります。

出典:島根県立大学短期大学部出雲キャンパス 看護学科基礎看護学 編著
「模擬患者(SP)参加型ガイドブック」

 

7.本学におけるSP参加型

 本学では,実習の予演,継続的な体験型学習を支援として臨地実習の時期などを鑑みてSP演習を導入している。看護学部および短期大学部における演習のスケジュールは,以下の通りである。

1)演習スケジュール

2)演習時の様子

3)学生による演習評価

 
1)演習スケジュール

看護学部
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短期大学部
s-2

 
2)演習時の様子
 
3)学生による演習評価

学生による演習評価アンケート集計の結果はこちらPDF