しまね地域研究センター長挨拶

しまね地域研究センターが目ざすもの

 しまね地域研究センターは、島根県が直面する地域の諸課題を解明するために2019年4月に設立されました。本センターは課題の解明のみならず、課題解決に役立つ政策メニューの提示も目指しています。島根県の歴史・文化の人文学的研究も進めます。ただし、人文学的研究であっても観光開発等の地元の活性化に寄与する政策的視点を持つ研究を目指します。

 本センターは研究のための研究ではない政策志向を持つ社会科学的、人文学的研究を通して、地域の活性化に貢献したいと思います。

 しまね地域研究センターは2年間の研究期間を基本に、折々の地域課題を踏まえ研究テーマを提示し、学内の専任教員からテーマの解明に役立つ研究を募り、応募した中から優れた研究を選定します。選ばれた研究グルーブ(学外の研究者も含む)には研究資金等を提供し、2年間の研究の推進を支援します。

 今回、しまね地域研究センター設立後はじめてとなる研究テーマは以下の通りです。 このテーマに沿って、本学の専任教員に学外の研究者も加えた6つの研究グループの研究 がすでに展開しています。

 (1)「子育て支援」に関するもの

 (2)「観光」に関するもの

 (3)「地域活性化」に関するもの

 (4)「隠岐・中山間地域」に関するもの

 (5)「地域教育」に関するもの

 昨今は科学的根拠にもとづく政策立案( evidence based policy making)が強調されるこ とが多い。医学の世界でも学会の権威者の判断に基づく恣意的な診断基準ではなく、科学的根拠に基づく医療行為(evidence based medicine)の重要性が論じられています。論拠の乏しい思弁的研究は厳に慎まなければなりません。

 しまね地域研究センターの諸研究は信頼できる資料、データに基づき客観的で公正な研究を進め、良質の社会科学的知見、政策提言、人文学的知識を生み出すことを目指します。本センターの研究成果が県民、行政に期待に応え喜んでいただけることになれば幸いです。また、学術的にも価値ある研究成果となれば、もっとも望ましいところです。 

 

2019年4月 

島根県立大学しまね地域研究センター長

藤原眞砂