私のオススメ本
第213回 トットちゃんのことを知りたい人にオススメ

松江キャンパス 図書館職員 廣田久美
私のオススメ
『続 窓ぎわのトットちゃん』
黒柳徹子著
講談社社 2023年10月発行
私がテレビで観る黒柳徹子さんは『すごく頭が切れてユーモアがあって不思議な魅力と才能をたくさん兼ね備えてる人』という印象です。
92歳になられた今でもテレビで活躍されていて『徹子の部屋』は2025年で50年目を迎えました。何がここまで彼女を駆り立てているのだろうと思いながらトットちゃんを読み続けました。(黒柳徹子さん=トットちゃん)
この本は、トットちゃんが東京大空襲の混乱期に青森へ疎開し女学校、音楽学校を経て戦後はNHK専属女優、ニューヨーク留学までが書かれた続編です。
時系列で読みやすく様々なシーンでの出来事に一喜一憂しながらトットちゃんの世界観に浸ってしまいました。ぶっ飛んだ面白いエピソードに泣いたり感動したり…。
中でも印象に残ったのは、ある日NHK劇団の先輩に呼び出され『お前の日本語はへん。声がへん』と心無い乱暴な言葉にうちひしがれ涙したトットちゃん。劇作家の先生から『このままでいいんです。それがあなたの個性です。直してはいけません。』と諭すシーン。その後、声優として個性的な人気キャラクターがうまれました。
『徹子の部屋』では俳優さんたちに片っぱしから戦争のお話を伺い、今聞いておかないと忘れられてしまうという思いからまだまだ番組を続けるということ、自身の体験した戦争のことを書き残したいという思いから続編を書くきっかけとなったこと。
あとがきの部分に答えがありました。まだまだ百歳まで続けたいというトットちゃんに 勇気と感動をもらいました。幼少期のトットちゃんも読んでみたいです。
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