服部四郎 ウラル・アルタイ文庫

服部四郎ウラル・アルタイ文庫について

 縁あって島根県立大学メディアセンター(図書館)の蔵に帰した服部四郎ウラル・アルタイ文庫(以下、「文庫」といいます。)とは、言語学者で東京大学名誉教授の服部四郎先生(明治41-平成7)の業績及び業績に関わる研究資料約15,000点を指します。ご子息で国文学者(上代文学)・民俗学者の服部旦(あさけ)先生のご希望をうけて、服部四郎先生の配架の原型をできるだけ崩さないように心がけています。世界でここにのみ所蔵されている資料もあり、その多くが戦前・戦中の北東アジア地域の文献です。

服部四郎先生について

 服部四郎先生は、日本語、アルタイ諸言語(モンゴル語、満州語、タタール語)、朝鮮語のほか、琉球語、アイヌ語、中国語、ロシア語など主として北東アジアの諸言語を対象として、事実の精密な観察・分析に基づく多数の優れた業績を発表すると同時に、これら個別言語の研究に即して言語学の理論・方法の確立・普及に努められ、日本におけるアジア系言語研究の基礎を築かれました。

<服部四郎先生 略歴>
1908(明治41) 三重県生まれ
1936(昭和11) 東京帝国大学文学部講師
1943(昭和18) 言語学講座担当。文学博士
1949(昭和24) 東京大学文学部教授
1966(昭和41) 東京言語研究所運営委員長
1969(昭和44) 東京大学定年退官。東京大学名誉教授
1971(昭和46) 文化功労者
1972(昭和47) 日本学士院会員
1975(昭和50) 日本言語学会会長
1983(昭和58) 文化勲章受章
1995(平成 7) 死去

<主な著書等>
『蒙古とその言語』(1943)、『元朝秘史の蒙古語を表はす漢字の研究』(1946)、『音韻論と正書法』(1951)、『音声学』(1951)、『日本語の系統』(1959)、『言語学の方法』(1960)、『アイヌ語方言辞典』(1964)、『新版 音韻論と正書法』(1979)、『邪馬台国はどこか』(1990)など。

文庫の利用について

(1)文庫資料の閲覧を希望される方は、「服部四郎ウラル・アルタイ文庫閲覧申請書」(以下、「申請書」といいます。)をご提出ください。  申請書には、閲覧を希望される資料の名称を必ず明記してください。資料の名称は、「資料の検索について」に記載の方法によりお調べください。現物を確認した上で、閲覧の可否をご連絡いたします。なお、お返事に時間がかかることがあります。申請書の提出期限は次の通りです。申請書には学内者用学外者用があります。

本学の教職員 閲覧当日までに申請書(学内者用)を提出

本学の学生、市民研究員、本学教員の紹介による学外者

閲覧日の3開館日前までに申請書(学内者用)を提出
他の教育研究機関に属する学外者

閲覧日の1週間前までに、所属図書館を通じて申請書(学外者用)を提出

(2)所蔵資料の掲載出版/パネル展示/放送/Webサイト等への掲載/翻刻出版/復刻出版については、別途申請が必要ですのでお問い合わせください。

(3)その他ご注意いただきたいことは以下の通りです。
・文庫資料が閲覧できるのは、図書館開館日の平日9時から17時まで(12時から13時の間は除く)とします。
・複写機による文庫資料の複写はできません。
・写真撮影を希望される方は、閲覧日当日に別途申請が必要です(撮影ができない資料もあります)。撮影はご自身の機材でお願いいたします。
・館内の指定した場所で閲覧していただきます。書庫から取り出し、閲覧できる資料は1回10点までとします。
・学外の方は、ご来学当日、所属機関発行の紹介状と身分証明書をご持参ください。

資料の検索について

 所蔵資料は、次の(1)または(2)の方法によってお調べ下さい。
(1)服部旦先生が作られた手書き目録の撮影画像を3冊のデジタルカタログにしました。画像は目録順に配列されています。先頭から順番にページをめくるようにご欄いただくことも、特定のページにジャンプすることもできます。
 ・目録画像集1(服部四郎先生宅の1F耐火書庫に配架されていた資料)
 ・目録画像集2(1F書庫、客間等に配架されていた資料)
 ・目録画像集3(2F納戸、和座敷等に配架されていた資料)

(2)文庫資料のうち、中国語・モンゴル語・チュルク諸語で書かれた約1900点につきましては、テキスト検索可能な目録を作成しましたので、以下リンク先のPDFファイルをご利用下さい。
 ・モンゴル語・チュルク諸語の文献1191点
 ・中国語の文献289点
 ・トルコ語雑誌248点
 ・中国語雑誌146点

(3)上記(1)(2)に記載のデジタルカタログ、PDFファイルの目録の著作権は島根県立大学が有します。また、これらの利用は、「研究目的」または「非営利の個人」の場合に限らせていただきます。利用にあたっては本学成果物からの引用であることを必ず明示してください。